転職支援の上手な使い方

内向的な人がは面接室に入室するときから大きな紙袋を持参してきていたので、もしやと考え、私は「その袋の中身、あなたの作品ではないんですか」と水を向けてみた。 案の定、自分からはいいだせなかった彼が、そうだと答える。

「せっかくだから見せてください」と広げさせると、社長の目がとたんに輝き出し、「素晴しい、素晴しい」と連発する。 自己をアピールする資料を用意してからは社長のほうが彼に非常に興味を持ちだし、最終的にこの応募では、その彼だけが採用されることになったのだった。
能弁な作品が、内向的な主人を助けた例だが、このように、自分の能力を代弁してくれる作品のある人は、自己PRのために、それを面接の場まで持っていったほうが得策だ。 聞く側もいくら口でうまく、デザインが上手だ、賞をもらったと説明されても、納得の範囲は限られるもの。
この場合はむしろ作品そのもののほうがよほど説得力をもって迫ってくるものだ。 この例は、とくに作品とは限らない。
たとえば、年間売り上げのトップ賞を2回獲得したというセールスマンの場合でも、口だけでは眉つばかと思われがちなものだが、そのときの表彰状や金一封ののし袋などを持っていって、「これがそのときの表彰状です」と見せれば、セールスマンとしての能力を納得してもらえる。 これほど説得力のあるものはないわけだ。
このほか、会社によっては、提案制度による表彰や、無遅刻、無欠勤による皆勤者の表彰などを行うところもある。 そういう機会にもらった表彰状なども大切にとっておけば、次の転職の機会にも、それが大いに役立ってくる。
「めったに休みません」「からだが丈夫です」と口でアピールするよりも、ときに能弁にそのことを語ってくれるわけだ。 技術者やデザイナーはその作品、そのほかの人も自己PRになるものなら何でも使って、自分の能力をアピールするくらいの積極さが面接の場ではあってもいい。
退職理由を聞かれたらどう答えるか中途採用で企業側がもっとも警戒するのが退職理由だ。 原因が本人にあるのか会社側にあるのかを見きわめておかないと、採用後に苦い思いをしないとも限らない。
そこで面接では、その真意がどこにあるのかをみるために、必ず退職理由を質問される。 転職経験が2社、3社にわたれば、1社ごとにその理由を聞かれることを覚悟しなければならない。

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